QIAGEN Fast Cycling PCR Kit

どのサーマルサイクラーでも特異性が高く超高速なPCR

特徴

  • わずか15分でホットスタートPCR増幅(35 サイクル)
  • どのサーマルサイクラーにも適合
  • HotStarTaq Plus DNA Polymeraseが入った即使用可能なマスターミックス
  • オプションの直接ゲルにロード可能なPCR 用マーカー色素で容易な操作
  • 高速PCR 用プライマーの再デザインは不要

製品詳細

QIAGEN Fast Cycling PCR Master Mix は感度と特異性の高いPCR 用のHotStarTaq Plus DNA Polymerase と変性、アニーリング、エクステンションステップを短縮できるユニークなバッファー組成を含んでいます。PCRバッファー(特許取得)は、ポリメラーゼ、プライマー、テンプレート複合体形成に必要な時間を顕著に短縮し、トータルPCR 時間を約1.5 時間からわずか20分まで短縮します。オプションのCoralLoad Dye にはマーカー色素が入っているので、電気泳動が簡便に行なえます。さらに増幅困難なテンプレート(例;GCリッチ)用に画期的なQ-Solutionも入っています。

パフォーマンス

QIAGEN Fast Cycling PCR Kitは、どのサーマルサイクラー上でも、HotStarTaq Plus DNA Polymeraseの高い性能に、大幅に短縮されたPCRサイクリング時間を組み合わせます。増幅が失敗することのある他の高速サイクリング用試薬と異なり、HotStarTaq Plus DNA Polymeraseは、QIAGEN Fast Cycling PCR Bufferとの組み合わせにより、特異的なプライマー/テンプレートアニーリングを促進し、同時に非特異的なアニーリングを抑制します(図 " 特異性が高く信頼できる結果")。非特異的な増幅産物、プライマーダイマーの形成、そしてバックグラウンドのスメアを各PCRサイクルで最小限に抑えることができます。特許で保護された新しいPCRバッファー組成で、時間を最大75%節約することができます。PCRサイクリング時間は1時間以上(35サイクルの場合)から20分未満に短縮できます。迅速に加熱・冷却できる サイクラーではPCRのトータル時間はわずか30分で完了します (図 " PCR時間を最大75%まで短縮可能")。まだ最適化されていないPCRはキットに同様に添付されているユニークなPCR添加物Q-Solutionで簡便に最適化ができます。
図参照

原理

QIAGEN Fast Cycling PCR Kitには、あらゆるサイクラーでの迅速かつ特異的な増幅に必要な全ての成分を含むマスターミックスが入っています(表参照)。増幅が困難なテンプレートを含むゲノムDNAやcDNAから最高3.5 kbまでのPCR増幅産物が確実に得られます。HotStarTaq Plus DNA Polymeraseによって、特異性が確実に高まります。特許で保護された斬新なPCRバッファー組成によって、ポリメラーゼ、プライマー、およびテンプレートの複合体形成に必要な時間が大幅に短縮されるため、時間を最大75%節約することができます。このバッファーにより、ポリメラーゼはPCRアニーリングステップ中にプライマーを伸長し、その結果各PCRサイクルのアニーリングおよびエクステンションステップ時間が大幅に短縮されます。PCRサイクリング時間は1時間以上(35サイクルの場合)から20分未満に短縮できます(図 " 顕著に時間を節約")。迅速に加熱・冷却できる サイクラーではPCRの合計時間はわずか30分で完了します (図 " PCR時間を最大75%まで短縮可能")。

PCRを高速サイクリングで確実に行なうのに必要なもの
キットの構成成分 特長
HotStarTaq Plus DNA Polymerase 高特異性の産物(最長3.5 kb)
高感度
室温セットアップ
高速サイクリングPCRバッファー(Q-Bond Molecule含有) 高速
必要最小限の至適化
CoralLoad Dye IPCR産物の迅速なゲルローディング
可視化によるピペット操作の改善
Q-Solution GCリッチなテンプレートの増幅を促進
QIAGEN Fast Cycling PCR Master Mix 簡便で迅速な反応セットアップ
高い特異性と感度

マスターミックスにHotStarTaq Plus DNA Polymeraseが含まれているため、比類のないホットスタートPCR性能が確実に得られます。HotStarTaq Plus DNA Polymeraseは、常温では不活性状態でポリメラーゼ活性はありません。この特性により、低温でのミスプライムによる増幅産物およびプライマーダイマーの形成を回避でき(図 " 特異性の高い信頼できる結果")、また反応溶液のセットアップも室温で簡便に行なえます。HotStarTaq Plus DNA Polymeraseは、95℃、5 分間のインキュベーションステップで活性化され、このステップは既存のサーマルサイクリングのプログラムに容易に導入できます。

ユニークな高速サイクリングPCRバッファー

斬新な高速サイクリングPCRバッファーを使用することで、サイクリング時間を大幅に短縮して特定のPCR産物を増幅することが容易になります。オリジナルのQIAGEN PCR Bufferをベースに、この新しい組成によって、毎PCRサイクルの短いアニーリングステップの間、非特異的なプライマー結合に対する特異的なプライマー結合の比率を高く保つことができます。このPCRバッファーは、KClと (NH4)2SO4 のユニークな配合比により、従来のPCR バッファーに比べ幅広いアニーリング温度やMg2+濃度の範囲で厳密なプライマーアニーリング条件を実現します。異なるアニーリング温度あるいはMg2+濃度を用いて行なうPCRの至適化は、劇的に緩和され、多くの場合、不要となります。

革新的な高速サイクリングPCRバッファーも、一本鎖DNAへのDNAポリメラーゼの結合アフィニティーを大幅に増大する斬新なQ-Bondを含んでいるため、アニーリング時間をわずか5秒まで短縮することができます(図 " アニーリングステップでのFast Cycling PCRのメカニズム")。ユニークなバッファー組成および最適化されたDNAポリメラーゼ濃度により変性およびエクステンション時間も顕著に短縮できます。Fast Cycling PCR Bufferは、個々のプライマー/テンプレートシステムでの至適化が不要で、実験の時間および経費を節約できます。時間のかかる至適化実験の必要性なく、幅広い温度、Mg2+濃度において特異的な増幅を維持します。

CoralLoad Dye

QIAGEN Fast Cycling PCR Kit には増幅反応液を直接アガロースゲルにアプライできるCoralLoad Dyeが入っており、ゲルロードバッファーを添加する必要がありません (図 " PCR産物を即電気泳動可能")。CoralLoad Dye には2種類のマーカー色素(オレンジ色素と赤色色素)が入っており、DNAの移動距離の予測およびアガロースゲルの泳動時間の至適化が容易に行なえます。これらの色素はピペッティングの目視を改良し、PCR産物をゲルに直接ロードすることが可能なので、簡便性が増加します。

Q-Solution

QIAGEN Fast Cycling PCR Kit にはまた画期的なPCR添加剤であるQ-Solutionが添付されており、DNAの変性環境を改善することにより、増幅困難なテンプレートの増幅を可能にします。このユニークな試薬により、高度な二次構造を持つテンプレートやGC リッチなテンプレートなどにより生じる不適切なPCR 条件が改善されることがあります。Q-Solutionは、DMSOのような通常使用される他のPCR添加物とは異なり、毒性がなく一定の濃度で使用でき、PCRの正確性を損なわずにPCR純度を確保します。

図参照

操作手順

QIAGEN Fast Cycling PCR Kitは、簡便なマスターミックスフォーマットのため操作は容易です。HotStarTaq Plus DNA Polymeraseは、95℃、5分間のインキュベーションステップで活性化され、このステップは既存のサーマルサイクリングのプログラムに容易に導入できます。マスターミックスによる、室温反応のセットアップは、迅速かつ容易です。ピペッティングステップは最小限に抑えられ、エラーとコンタミのリスクが減少し、スループットと再現性が増加します。キット付属の至適化されたプロトコールでPCRセットアップを迅速かつ容易に行なうことができます。本キットには、CoralLoad Dye も付属しています。 これによりピペッティングを目視でき、PCR産物をゲルに直接ロードすることが可能なので、簡便性が増加します。

PCRサイクリング時間は1時間以上(35サイクルの場合)から20分未満に短縮できます(図 " 顕著に時間を節約" および表 "様々な長さのフラグメントのPCRサイクリング時間")。迅速に加熱・冷却できる サイクラーではPCRの合計時間はわずか30分で完了します (図 " PCR時間を最大75%まで短縮可能")。QIAGEN Fast Cycling PCR Kitは時間を節約することができるので、PCR処理数を増やす場合に最適です。従って、高価なラボ用装置を新たに購入する必要はありません。

顕著に時間を節約

QIAGEN Fast Cycling PCR Kit は既存のラボ装置を用いてPCRの処理数を増大できます。迅速に加熱・冷却できるサイクラーを含むどのサイクラーでも、特異性が低下することなく本キットを使用できます(図 " PCR時間を最大75%まで短縮可能")。さらに他のPCR試薬と異なり、プライマーやアニーリング温度の修正や変更する必要はありません。本キットの各成分は簡便で確実な高速なサイクリングプログラムでPCRを行なえるように特別にデザインされています(図 " 簡便な操作手順" および表)。

様々な長さのフラグメントのPCRサイクリング時間
フラグメント長(bp) QIAGEN Fast Cycling操作(分) 一般的なサイクリング操作(分) 時間短縮率(%)
200 15 68 78
500 20 68 71
1000 29 85 66
3000 63 155 59
図参照

アプリケーション

QIAGEN Fast Cycling PCR Kit はどのサーマルサイクラー上でもPCR スループットを増大でき、一般的なPCRや高感度で特異的なPCR、さらに複雑なゲノムやcDNAテンプレートを用いたPCRにも最適です。本キットは迅速に加熱・冷却できるサーマルサイクラー同様、一般的なサーマルサイクラーでも使用できます。

裏付けデータと数値

Specifications

FeaturesSpecifications
Real-time or endpointEndpoint
ApplicationsJAPCR, RT-PCR, Complex genomic templates, very low copy targets
Sample/target typeGenomic DNA and cDNA
With/without hotstartWith hotstart
Reaction typePCR amplification
MastermixYes
Single or multiplexSingle
Enzyme activity5' -> 3' exonuclease activity

リソース

Certificates of Analysis (1)

FAQ

Do you have a protocol for polyacrylamide gel analysis of oligonucleotides?
Yes, please follow the Supplementary Protocol 'Polyacrylamide_gel_analysis_of_oligonucleotides' (PCR03).
FAQ ID -961
How do you achieve fast cycling, yet still deliver the same performance in PCR as that achieved with standard cycling?

Our unique multiplex PCR buffer system with ammonium and potassium ions and Factor MP has been further optimized in QuantiFast and Rotor-Gene Kits. We have also discovered Q-Bond, a buffer component which supports the rapid formation of the polymerase–primer–template complex, leading to reduced annealing times.

FAQ ID -1430
What is Q-Bond used in the QIAGEN Fast Cycling PCR and QuantiFast Kits?

The Q-Bond Molecule, present in the PCR Buffer of the QIAGEN Fast Cycling PCR Kit and the QuantiFast Kits, dramatically increases the binding affinity of DNA polymerase to single-stranded DNA, thereby facilitating the reduction of annealing time to just a few seconds. It is a non-protein PCR component. Unfortunately, all further information on this molecule is proprietary.

FAQ ID -1554