GeneRead DNA FFPE Kit

信頼性の高いNGS 解析を実現するためのFFPE 組織からのgDNA 分離

Features

  • FFPE サンプルからの最適化されたgDNA 精製
  • シトシンの脱アミノ化によるアーティファクトを酵素により除去
  • false SNP callのリスクを最小化
  • DNAシークエンシングアプリケーションで卓越した結果
  • QIAcubeで自動化可能

Product Details


GeneRead DNA FFPE Kit は、最適化されたシリカスピンカラムベースのプロトコールを用いて、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織から高品質なゲノムDNA(gDNA)の精製を実現します。シトシンの脱アミノ化に起因するアーティファクトなC>T 変異は、次世代シークエンシング(NGS)において重要な意味をもちます。これらのアーティファクトは、ホルマリン固定や長期保存によって生じ、シークエンシングエラーに繋がります。GeneRead FFPE精製法はこれらのアーティファクトを酵素により除去する一方、簡単確実な脱パラフィン試薬や高い収率を期待できる新しい溶解バッファーが同梱されているため、NGS のアプリケーションに最適です。

Performance

微量スタートサンプルからの高収量精製
ライブラリー調製やシークエンシングテクノロジーの進歩により、バイオバンクにある大量のFFPE 組織を用いてハイスループット・シークエンシングを実施することが期待されています。これらのテクノロジーにより低頻度変異の検出限界も低下し、変異を高い信頼性で検出することができます。しかしながらFFPE サンプルのシークエンシングは様々な課題を伴っています。FFPE サンプルからのDNA 収量は、DNA の損傷状態により制限を受けます。さらに、これらのサンプルは、再度得ることができないことが頻繁にあるため、最少量のスタートサンプルから最大量の核酸を取得する必要があります。スタートサンプル量が少ない場合、擬陽性変異の相対的な頻度が増大するため、FFPE サンプルをシークエンシングする際には、収量の増大だけではなくアーティファクトを抑えることが重要です。スタンダードのFFPE DNA精製プロトコール(図  二本鎖DNAを高収量で精製)と比較して、GeneRead DNA FFPE Kitでは、少量のサンプル(1×10 μm切片)から、同等あるいはそれ以上の収量で二本鎖DNAが得られます。GeneRead DNA FFPE Kitは、他社のキットと比較してより性能が優れており、テストしたサンプルにおいて4 倍の二本鎖DNA収量を実現しました(図 他社キットに比べてより高い収量を実現するGeneRead DNA FFPE Kit)。
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Principle

NGSアプリケーション用のDNAをFFPE組織から調製するのには、いくつかの課題があります。サンプルの重要な特性やDNAの損傷状態により、収量が制限されます。さらに、限られた量のスタートサンプルの場合、固定と包埋条件および長期保存により引き起こされるアーティファクトが、シークエンシング結果に広く認められます。特有な問題の一つは、シトシン塩基からデオキシウラシルへの脱アミノ化があります。これにより、シークエンシング反応においてCからTへの変換をもたらされます。この正確なメカニズムは不明ですが、一つの説明として、脱アミノ化によりシトシンがその位置でウラシルに変化し、これがアデニンと対になることが考えられます(図  シトシンの脱アミノ化により誤ったアデニンとのペアリング)。シークエンシングの際には、この変化した塩基は、C>T 置換として読み取られます。相補鎖の情報がライブラリー構築中に失われると、どちらかの鎖がシークエンスされ、その結果アーティファクトがC>T あるいはG>A 置換として現れます。特にがんサンプルのシークエンシング解析では、偽陽性の変異として現れることになるため、これらのアーティファクトの除去は重要です。 スタートサンプル量が少ない場合、誤った変異の相対的な頻度が増大するため、FFPEサンプルをシークエンシングする際には、収量に加えてアーティファクトを抑えることが重要です。

GeneRead DNA FFPE Kitは、少量のFFPE組織切片から高収量のDNAを効率的に精製するために能率的な操作手順を提供します。さらに、DNAシークエンシングにおいて誤った結果がでないよう、この手法には脱アミノ化されたシトシンの除去が含まれています。
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Procedure

GeneRead DNA FFPE操作では、DNAサンプルからパラフィンを除去し、ホルマリンによるクロスリンキングを解離した後、DNAサンプルをQIAamp MinEluteカラムに結合させます。クロスリンキングを取り除くために加熱した後、酵素Uracil-N-Glycosilase(UNG)により、DNAから脱アミノ化されたシトシン残基を特異的に除去します。UNGがアーティファクトに誘導されたウラシルをFFPEサンプル由来のDNAから特異的に除去できる条件を、至適化済みの反応ミックスは備えています。スピンカラムにDNAが結合した後、塩などの残留夾雑物はBuffers AW1とAW2、およびエタノールによって洗い流されます。続く酵素反応を妨害する可能性のある残留エタノールは、追加の遠心分離ステップにより除去されます。溶出されたDNAは、次世代シークエンシング・ワークフローですぐに使用できます。また、-20℃での保存も可能です。

GeneRead DNA FFPE KitはQIAcubeでの自動化も可能です。

Applications

GeneRead DNA FFPE Kitは、シトシンの脱アミノ化によるアーティファクトを効率的に軽減することにより、FFPEサンプルからNGSに即使用可能なDNAを提供します。

Supporting data and figures

Resources

Safety Data Sheets (1)
Certificates of Analysis (1)