miRNA 発現解析システム ― miScript PCR System

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QIAGEN は、miScript PCR System とよばれるmiRNA の発現解析システムを提供しています。このシステムは、miRNA の種類ごとのcDNA を合成する必要がないため、操作が簡便な上、低コストでmiRNA 解析を行なっていただくことが可能です。

miScript PCR Systemは、主に以下の製品から成り立っています:
 
  • miScript Ⅱ Reverse Transcription Kit
  • miScript SYBR Green PCR Kit
  • miScript Primer Assay
miScript System の原理
miScript Ⅱ Reverse Transcription Kit
miScript SYBR Green PCR Kit
miScript Primer Assay
よくある質問

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逆転写反応は以下のステップで行なわれます(図 miScript HiSpec Buffer を用いてmature miRNA をcDNA へ選択的に変換)。
  1. polyA polymeraseを用いてmiRNAの3’末端側にpolyAを付加
  2. 5’末端側にTag配列のついたOligo-dTプライマーで、逆転写反応を行なう。これにより、5’末端側にTag配列、3’側はmiRNAに相補的な配列のcDNAが合成される。
  3. Tag配列に対するプライマーをreverse primer、miRNAに対するプライマーをforward primer(miScript Primer Assay)にして、PCR反応を行なう。
  4. SYBR Greenにより検出

1回のcDNA合成で網羅的にmiRNAのcDNAが合成されるため、1つのcDNAだけで、複数または網羅的なmiRNAの発現解析を行なっていただけます。


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テンプレート内のRNAをすべて逆転写するHiFlex BufferおよびmatureなmiRNAのみを逆転写するHiSpec Bufferの2種類のバッファーが添付されているため、実験の用途により使い分けていただけます(図 miScript PCR System の構成)。HiFlex Bufferを使用すると、同一cDNAサンプルからmiRNA、pre-miRNA、mRNA、の解析が可能になります。また、すべてのmiScript Primer Assayは、HiSpec Bufferを用いたウェット検証がされています。


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miScript SYBR Green PCR Kit

本キットには、Tag配列に対するプライマーがリバースプライマーとして付属しています。QIAGENのPCRマスターミックスには、他社の試薬と異なり、アンモニウムイオンが含まれていています。このアンモニウムイオンは、ミスマッチ結合している塩基間の水素結合を不安定化させます。結合を安定化させるカリウムイオン、マグネシウムイオンとの最適な混合比により、特異性の高いPCRを行なうことができます(図 プライマーのアニーリングによる特異性が増加)。
Taq DNA Polymeraseは、化学修飾されているため、ポリメラーゼ活性が厳密に抑制されており、セットアップ時の非特異的増幅は起こりません。
また、PCRの最初のステップである初期活性化ステップにおいて、テンプレートに対し過剰にTaq DNA Polymeraseが活性化しないため、非特異的な増幅が起こりにくくなります。


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すべてのmiScript Primer Assayは、HiSpec Bufferによりすべてウェット検証されております。

これらのことから、miScript PCR Systemの有用な点を下記にまとめます。

  • 操作が簡便で、手間が少ない
  • 複数のcDNAを合成しないため、cDNAの管理がしやすい
  • 複数のcDNAを合成しないため、低コスト
  • サンプル量を軽減できる
  • 逆転写におけるチューブ間のばらつきが生じない
  • プライマーはウェット検証済み


注;希少サンプル用にpre-amplification system もございます。ご興味のある方は、geneglobe-jp@qiagen.com までご連絡ください。


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Q:  miRNA* とは?

A:  miRNA とmiRNA* はpre-miRNA のステムループがDicer によりプロセッシングを受けて生合成された2 本鎖のRNA からそれぞれ生合成されます。miRNA は最終的にRISC に取り込まれる「ガイド鎖」です。miRNA* は、もう片方の「パッセンジャー鎖」です。通常miRNA* の細胞内での発現は低く(miRNA の15%以下です)、細胞内でパッセンジャー鎖の存在の割合が高い場合、miRNA・miRNA* ではなく、miRNA-3p/miRNA-5p と表されます。miRNA-3p はpre-miRNA の3’ 側から、miRNA-5p は5’ 側から生合成されます。
細胞内のmiRNA 構成について、Landgraf, P., et.al., (2007), Cell, 129, 1401 をご参考ください。もしパッセンジャー鎖が十分な量で存在する場合、発現解析を行なう価値があるかもしれません。また、逆にmiRNA* は遺伝子発現調節に十分な役割を持っていないものとして、解析を行なわないという決断をすることも考えられます。


Q:  miScript miRNA qPCR Assaysはpre-miRNA の検出ができますか?

A:  できません。miScript miRNA qPCR Assays はmature なmiRNA のみを検出します。pre-miRNA の検出をされたい場合は、miScript Precursor Assays をご使用ください。


Q:  miScript miRNA qPCR Assays は1 塩基違いのmiRNA を分けて検出できますか?

A:  できます。この特許出願中のQIAGEN のシステムでは、配列内(末端ではない)の1 塩基違いを検出することが可能です。


Q:  miScript PCR System では、補正用コントロールとして何を用いたらいいでしょうか。
 
A:  一般的には、snoRNA や5S RNA が用いられることが多いです。
miScript PCR System でパフォーマンスを検証されているsnoRNA の情報は、こちらをご覧ください。


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リソース

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